駅の東、閉館してしまったこの町最後の映画館尾道松竹。聞くところによると、尾道・向島地方に20館以上の映画館があったとか。映画館が無くなったのは尾道の衰退というよりテレビやレンタルビデオの影響が大きいのでしょう。

営業していた最後ごろの写真ですが、上映していたのは「エヴァンゲリオン劇場版」でした。劇場の雰囲気とポスターの似合わないこと..。夜は成人映画をやっているという2部構成だった映画館。客の入れ替えはさぞ厳密に実行されていたことでしょう。

理想を言えば、建物の外観をそのままに、内部を最新設備にした映画館として再開されればなどと思いますが、じゃあお前は来るのかと言われれば、観光客は旅先で映画館に入ることはまずない。観光客向けの施設なら、それこそ映画資料館にはピッタリの建物ですが、それでは地元の方はせいぜい1回しか来ない施設になるので、レトロを活かした居酒屋など飲食関係などというのも良いのかもしれない。まあ言いたいことは、外観だけでも残ればなあ、というのが観光客のワガママな要望なのであります。

映画館として昔の設備のまま再開しても、良い音、良い椅子、明るい館内の映画館を体験したことのある観客はもう戻らないだろうというのは経営の経験がなくても予想がつきますね。