「"良い旅"へのお礼状」
1999年4月20日
FTABI・サテライト(3)
皆さんの中にも旅から帰って旅先で出会った人に手紙を出したことのある方がいらっしゃるのではないだろうか。旅番組などを見ていても 旅館や地元の名物店のご主人、ガイドさんなどが、旅人からもらった手紙を喜びとし、自慢している姿を時々見る。「お金を払って何かをしてもらって、その上お礼の手紙を出したくなる」というのは 他ではなかなか少ないものだが、良い旅というのは そこまでしたくなるほど人を嬉しくさせ優しくさせるものなのだろう。
私が初めて出したのは10年ほど前、相手は尾道駅前書店のご主人だった。バイクを借りて対岸の島を1周し、海岸を走る道で沢山の写真を撮った。お店のバイクが写っているから喜ばれるかもしれないと思い、楽しかったというお礼の手紙と、海とバイクの写真を入れて送った。数日して丁寧なお礼の手紙をいただいたのが、ご主人とのお付き合いの始まりだった。
それまで30数年間出したことのなかったそのような手紙をどうして出す気になったのか自分でも不思議である。書店のご主人だけでなく、尾道で他の複数の方からも親切にされ、そういう気分になっていたのだろうか。本の袋に住所が書いてあったのも単純な理由だが大きかったかも。
もしかしたらもう一生会わないかも知れない人に1回きりになるかも知れない手紙を出す。1度行った旅館からお誘いの葉書が来るなどというのは珍しくないが、こちらから出した手紙への返事となると受け取った気分が違い、それを見るたびに楽しかった旅がよみがえってくる。もし機会があったら「楽しかった・美味しかった」など シンプルな葉書でも出してみてはいかがかと思う。楽しんだ様子など一言加えてるとより良いだろう。相手に喜ばれながら自分も書いている間、旅の余韻に浸れるのだから楽しい。ただあくまで「お礼の手紙」だから、「返事をあてにしないで出す」のが楽しむ秘訣と言えるだろう。
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